リハビリテーション

2年ほど前のこと。自分の感覚にほとほと疲れてしまった。

ここでいう感覚とは「ものごとの先を読みそれに先手を打って

さまざまなトラブルを回避する」という感覚のことでだいたい間違いない。

仕事をしていく上で(他の仕事は知らないのだけど、こと設計という仕事は)

様々な細かい要素の積み上げで成り立っていて、またどこかに一つ瑕疵が

あった場合にけっこう大きな問題になりかねないケースが多い。

そして常にトラブルになるのではないかと怯え、

またああしておけばよかったこうするべきだったという後悔をし、

どんどん泥沼にはまっていく思考はネガティブな隘路にハマりやすく

身動きがとれなくなる。

そんな思考を起きている間、ときには夢の中でまでし続ける生活に疲れてしまった。

疲れるだけでなく日常生活に支障をきたす自覚が出始めたのでクリニックの門を叩いた。

早速薬が処方され、それから今に至る。薬は出続け、徐々に増えてきている。

もちろん最悪だった頃から比べて心理的な状況は凄く良くなっているし、

そのことはまぁ仕方がないのかなとは思っている。仕事がまったく手に付かない

状況よりは、今のほうが格段にマシな状態だ。

ただ、間違いなく自分は「鈍感」になった。

思うにいろいろなことを想像し先手を打つというような思考は、物事に好奇心を

持ち、アンテナを張り巡らせる行為と非常に似た脳の領域を使うのではないだろうか。

物事を健全にアウトプットする能力を維持するためには後者がすごく重要になるけれ

ども、しかし前者に対していまだ恐怖心が拭えずにいる自分は後者の行為に対しても

すごく及び腰になっている。

その及び腰が長引けば長引くほど、それは自分で自分の首を絞めていることにつながる。

アウトプットに苦手意識のある建築士なんて存在意義がない。

これはすごい恐怖だ。

まぁ嘆いても始まらないのでアウトプットという行為を少しずつポジティブに再開する

ことから始めたいと思う。

TwitterというSNSに慣れすぎた自分はこういった日常的な長文を出力する機会すら

なくなり、脳のある領域を錆びさせているという自覚がある。

そんなわけで、過疎化したのを良いことに、この場所でそっとリハビリを始めてみた。